木軸の筆記具のよさ
筆記具は、一日のうちに何度も手に取る道具です。手帳に予定を書くとき、打ち合わせでメモを取るとき、封筒に宛名を書くとき。そのたびに、軸が指に触れます。
木軸の筆記具は、握るところが木でできています。プラスチックや金属の軸とは手ざわりが違い、天然の木なので、同じ商品でも木目の出方は一本ずつ違います。
いっぽうで、木の軸は水気や熱に気を配る道具でもあります。扱い方は、下の「お手入れで気をつけること」にまとめました。
書く仕組みで選ぶ
木軸の筆記具は、軸の中に何を収めているかで書き味が変わります。この記事の3本は、次の3通りです。
- 芯を繰り出して書く鉛筆:鉛筆と同じ黒鉛の芯を、シャープペンシルと同じ構造で繰り出して書く。
- 多機能ペン:黒と赤のボールペンとシャープペンシルを1本にまとめ、切り替えて書く。
- 単色のボールペン:インク1色のボールペン。
芯の線で書きたいなら芯を繰り出す鉛筆、色を使い分けたいなら多機能ペン、いつものボールペンの書き味のまま軸を木にしたいなら単色のボールペン。この順に考えると、候補が絞れます。
軸の木で選ぶ
軸の木が変わると、色や木目の見え方が変わります。この記事の3本の軸は、インセンスシダー、ハードメイプル、オークです。
- インセンスシダー:鉛筆の材として広く使われてきた針葉樹。
- ハードメイプル:木肌が緻密で強度が高い広葉樹。野球のバットや家具の材料にも使われる。
- オーク:硬い広葉樹で、ウイスキーやワインの樽の材としても知られる。
どんな木を毎日握りたいか、という選び方もできます。
お手入れで気をつけること
- 手汗や水気がついたら、やわらかい布でふき取る。
- 夏の車内のように熱がこもる場所や、強い日差しが長く当たる場所に置きっぱなしにしない。
- ペンケースの中で、金具やほかのペンとこすれると表面に傷がつくことがある。気になるなら、仕切りのあるケースに入れる。
比較表でまとめて見る
| 筆記具 | 書く仕組み | 芯・インク | 木の種類と素材の由来 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| 大人の鉛筆(北星鉛筆) | シャープペンシルと同じ構造で芯を出す | 太さ2mmの芯 | インセンスシダー(アメリカ産) | 〜3,000円 |
| LEGNO 2+1(パイロット) | スライドレバーでペン先を切り替える | 油性ボールペン(黒・赤、ボール径0.7mm)と、シャープペンシル(芯0.5mm) | ハードメイプル(北米産。家具や野球のバットの材料には合わなかった木) | 〜3,000円 |
| ピュアモルト ジェットストリームインサイド シングル(三菱鉛筆) | ノックで出す単色ボールペン | ジェットストリームの油性インク(黒、ボール径0.5mm) | オーク(サントリーウイスキーの樽に使われていた木) | 3,000〜7,000円 |
3つの木軸の筆記具
芯を繰り出して書く
ボールペンではなく、芯で書く1本です。
大人の鉛筆(北星鉛筆)
- 用途・想定シーン
- 手帳への書き込み、スケッチやアイデア出し、宛名書き。ボールペンのインクではなく、芯で書きたい場面に
- サイズ
- 木の軸は、ふつうの鉛筆より1mm太い
- 価格帯
- 〜3,000円
- 木の種類
- インセンスシダー(アメリカ産)
- こんな人におすすめ
- 鉛筆で書くのが好きで、木の軸の手ざわりはそのままにしたい人。インクではなく芯の線で、手帳やスケッチを書きたい人
軸は、鉛筆の材として使われてきたアメリカ産のインセンスシダーです。シャープペンシルと同じ構造で、太さ2mmの国産の芯を出して書きます。木の軸は削らずに使い、芯先が丸くなったら芯だけを専用の芯削りで削ります。軸の両端の金具が、重心をわずかにペン先に寄せています。昭和29年に北星鉛筆が開発した、軸を削らない鉛筆の考え方を引き継いでいます。
ボールペンで書く
ボールペンを木の軸に収めた2本です。LEGNO 2+1 には、シャープペンシルも一緒に入っています。
LEGNO 2+1(パイロット)
- 用途・想定シーン
- 手帳の予定書き、資料の校正、打ち合わせのメモ。黒と赤とシャープを持ち替える場面
- サイズ
- いちばん太いところの直径約1.5cm
- 価格帯
- 〜3,000円
- 木の種類
- ハードメイプル(北米産)
- こんな人におすすめ
- 黒と赤のボールペンとシャープペンシルを、1本にまとめたい人。ペン立ての本数を減らしたい人
スライドレバーを動かして、黒、赤、シャープのうち使いたいペン先を出します。ボールペンはボール径0.7mmの細字で、インクには低粘度の油性インキ「アクロインキ」を使っています。軸のハードメイプルは、家具や野球のバットの材料には合わなかった木を回したものです。名前の LEGNO は、森林や材木を意味するイタリア語から来ています。軸色はモクメ・ブラック・ネイビー・グレーの4色で、ここではモクメを取り上げています。
ピュアモルト ジェットストリームインサイド シングル(三菱鉛筆)
- 用途・想定シーン
- 手帳の細かな予定、会議のメモ、封筒の宛名。黒1色で書く、毎日の1本
- サイズ
- 作り手の公開情報に寸法の記載なし
- 価格帯
- 3,000〜7,000円
- 木の種類
- オーク(サントリーウイスキーの樽に使われていた木)
- こんな人におすすめ
- ジェットストリームを使い慣れていて、軸だけを木にしたい人。素材の来歴で道具を選びたい人。ペンを贈り物にしたい人
ボディはまるごと、サントリーウイスキーの樽だったオーク材です。何十年も原酒を寝かせてきた木を削り出して、軸にしています。中には三菱鉛筆の油性ボールペン「ジェットストリーム」のリフィル(黒・0.5mm)が入っていて、インクが切れたら替芯に入れ替えます。クリップはロゴを刻んだ板状で、ノックは押しはじめが軽く、押し込むにつれて少しずつ重さが出てきます。木目の型押しを施した窓つきの紙箱に入って届きます。軸色はナチュラルとダークブラウンの2色で、ここではナチュラルを取り上げています。
よくある質問
鉛筆とボールペン、どちらがいいですか?
書きたい線で選びます。黒鉛の芯の線で書きたいなら大人の鉛筆、インクの線で書きたいならボールペンの2本が候補です。
色を使い分けたいときは?
黒・赤のボールペンとシャープペンシルを1本にまとめた LEGNO 2+1 が向いています。ピュアモルトのシングルはインクが黒1色です。
価格帯で選び分けられますか?
3本のうち2本が〜3,000円の帯に入ります。3,000〜7,000円の帯はピュアモルトのシングルです。価格帯だけでは絞りきれないので、書く仕組みと軸の木のほうが選び分けの手がかりになります。










