木の櫛を選ぶなら
この記事で比べる3本は、どれも解櫛(ときぐし・とき櫛)です。解櫛は、髪をとかして、もつれをほどくための櫛です。3本とも、作り手が持ち歩きに便利な大きさとして紹介している小ぶりな櫛です。
選ぶときに見るのは、木の種類、歯の細かさ、大きさ、価格帯の4つです。贈り物にするなら、ケースが付くかどうかも見ておきます。
木の種類で選ぶ
3本のうち2本はつげ、1本はみねばりでつくられています。
- つげ:硬く粘り強い木です。このガイドの2本は、どちらも国産のさつまつげ(鹿児島のつげ)でつくられています。
- みねばり:オノオレカンバの別名です。オノオレカンバという名は、材がかたく、斧が折れるほどだということから付きました。このガイドの1本には、秋田県産の材が使われています。
どちらも天然の木なので、木肌にシミや色むら、青みなどが出ることがあり、一本ずつ表情が違います。
歯の細かさで選ぶ
歯の細かさは、作り手ごとに、段階の名前と数字の示し方(すき間の幅/歯と歯の間隔/歯先の間隔)が違います。
- 塩谷木櫛製造所は、歯のすき間の幅で、細歯(約0.4mm)から大荒歯(約2.3mm)までの6段階に分けています。
- 辻忠商店の解櫛3寸は、歯と歯の間隔が約2.1mmの中歯と、約2.9mmのさし荒の2種類です。
- 十三やのとき櫛4寸は、歯先の間隔で示していて、細歯(約2.1mm)のほかに、より細かい極細と、間隔の広い中荒・荒歯があります。
同じ測り方かどうかは作り手のページからは分からないので、数字の大小を作り手をまたいで比べることはできません。それぞれの作り手の段階の中で、細かいほうか荒いほうかを選びます。
大きさで選ぶ
みねばりの解櫛が幅約10.5cm、さつまつげの解櫛が幅約9.2cm、さつまつげのとき櫛が全長約11.7cmです。大きめの櫛がほしいなら、塩谷木櫛製造所には家に置いて使う幅約15cmの5寸が、辻忠商店には解櫛4寸もあります。
価格帯で選ぶ
3本は、価格帯がちょうど1つずつ分かれます。みねばりの解櫛が〜3,000円、さつまつげの解櫛が3,000〜7,000円、さつまつげのとき櫛が7,000〜15,000円です。ケースが別料金の櫛もあるので、贈り物にするなら、ケースを含めた額で見ておきます。
贈り物にするなら
ケースの付き方は、3本で違います。
- みねばりの解櫛(塩谷木櫛製造所)は、布製の和柄のケースが付きます。柄は店が選びます。
- さつまつげの解櫛(辻忠商店)は、ケースを別料金で付けられます。色や、ふた付きのものを選べます。
- さつまつげのとき櫛(十三や)は、4寸のとき櫛用のケース(西陣織、ちりめん・綿)を十三やが別に売っています。
ラッピングやのし、名入れに対応しているかは、注文の前に購入先で確かめてください。
お手入れ
木の櫛は、水やお湯で洗わないのが基本です。辻忠商店と塩谷木櫛製造所は、水で洗うと光沢がなくなり、櫛が曲がったり、ゆがんだりする原因になると案内しています。汚れは、植物油を含ませた綿棒や歯ブラシで軽くこすって落とします(塩谷木櫛製造所の案内)。
辻忠商店と塩谷木櫛製造所の櫛は、椿油をつけた状態で届くので、届いた日から使えます。
比較表でまとめて見る
歯の細かさの数字は、作り手ごとの示し方のまま並べています。作り手をまたいで大小を比べることはできません。
| 櫛 | 木の種類 | 歯の細かさ | 大きさ | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| みねばりの解櫛(塩谷木櫛製造所) | みねばり(オノオレカンバ) | 普通歯:歯のすき間 約1.0mm | 幅約10.5cm・高さ約3.5cm | 〜3,000円 |
| さつまつげの解櫛(辻忠商店) | つげ(さつまつげ) | 中歯:歯と歯の間隔 約2.1mm | 幅約9.2cm・高さ約4cm | 3,000〜7,000円 |
| さつまつげのとき櫛(十三や) | つげ(さつまつげ) | 細歯:歯先の間隔 約2.1mm | 全長約11.7cm | 7,000〜15,000円 |
3つの木の櫛
みねばりの解櫛(塩谷木櫛製造所)
- 用途・想定シーン
- かばんに入れて持ち歩き、出かけた先で髪をとかす
- サイズ
- 幅約10.5cm・高さ約3.5cm・歯の深さ約2.5cm(3寸5分)
- 価格帯
- 〜3,000円
- 木の種類
- みねばり(オノオレカンバ・秋田県産)
- こんな人におすすめ
- つげとは違う木の櫛を試したい人、ケースが付いた櫛を贈りたい人
櫛の歯はほどよく燻してから仕上げ、椿油をしみこませた状態で届きます。ここで取り上げるのは、歯のすき間が約1.0mmの普通歯です。持ち歩き用の3寸5分のほかに、家に置いて使う幅約15cmの5寸もあります。布製の和柄のケースが付き、柄は店が選びます。すべて手作りのため、形や大きさは一本ずつ少しずつ違い、木肌に青みや黒い部分が入ることもあります。
さつまつげの解櫛(辻忠商店)
- 用途・想定シーン
- 毎日の身支度で髪をとかす、小ぶりな櫛を持ち歩く
- サイズ
- 幅約9.2cm・高さ約4cm(3寸)
- 価格帯
- 3,000〜7,000円
- 木の種類
- つげ(国産のさつまつげ)
- こんな人におすすめ
- はじめてつげの櫛を選ぶ人、小ぶりな解櫛を探している人
大阪府貝塚市の工房、辻忠商店が、鹿児島のさつまつげでつくる解櫛です。ここで取り上げるのは、歯と歯の間隔が約2.1mmの中歯です。椿油をつけた状態で届きます。ケースは別料金で付けられ、ここで取り上げているのはケースなしの櫛です。天然のつげなので、木肌に小さな点や線のようなシミや色むらが出ることがあります。
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さつまつげの解櫛(辻忠商店)のレビューを読むさつまつげのとき櫛(十三や)
- 用途・想定シーン
- 鏡の前や出かけた先で、細かい歯で髪を整える
- サイズ
- 全長約11.7cm(4寸)
- 価格帯
- 7,000〜15,000円
- 木の種類
- つげ(国産のさつまつげ・10年以上乾燥させた材)
- こんな人におすすめ
- 歯の細かい櫛がほしい人、京都で長く続く櫛の店の一本を選びたい人
京都・四条通寺町で、百年あまりつげ櫛をつくり続けてきた十三やの、4寸のとき櫛です。材には、国産のさつまつげを10年以上かけて乾かしたものを使っています。細歯は歯先の間隔が約2.1mmです。手作業でつくるため、形は一本ずつ少しずつ違い、木肌には、つげにもともとある黒いシミや色むらが出ることがあります。
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