朝の身支度で髪をとかす櫛を、木のものにしてみたい。そんな人に向くのが、みねばりの解櫛(塩谷木櫛製造所)の3寸5分です。解櫛(ときぐし)は、髪をとかして整えるための櫛です。
特徴
手のひらに収まる小ぶりな櫛で、作り手の店は持ち歩き用として紹介しています。大きさは幅約10.5cm・高さ約3.5cmで、歯の深さは約2.5cmです。「3寸5分」は昔の長さの単位(1寸は約3cm)で、この櫛の幅の約10.5cmにあたります。もうひと回り大きい5寸もあり、こちらは幅約15cm・高さ約3.8cm・歯の深さ約2.8cmです。
歯は、すき間の幅で細歯から大荒歯まで6段階に分けて示されていて、この記事で取り上げるのは、すき間が約1.0mmの「普通歯」です。
櫛の歯は、ほどよく燻してから仕上げています。塩谷木櫛製造所は、こうすることで歯がより安定すると考えています。仕上げは椿油で、油をなじませた状態で届きます。布製の和柄ケースが付き、柄は店が選びます。
塩谷木櫛製造所では、大阪府伝統工芸士の塩谷正二さんに学んだ息子の塩谷正市さんが、原木の買い付けから製材、仕上げまでを手がけています。一本ずつ手でつくるため、形や大きさは一本ごとに少しずつ違います。仕上がりに納得できない櫛は、店に出さずに処分しています。
こうして仕上げた櫛を売っているのが、大阪府貝塚市の「くしのみせ泉」です。貝塚市は、大阪府の伝統工芸品「和泉櫛」のおもな産地のひとつです。
木の種類について
みねばりは、オノオレカンバの別名です。漢字では「斧折樺」と書き、心材がとても堅く、斧の柄も折れるほどだということから、この名で呼ばれてきました。
この櫛に使われているのは、秋田県産のオノオレカンバです。材によっては、青みや黒ずみが入ることがあります。作り手は、強度に影響しないところはそのまま残し、木の個性として扱っています。
お手入れ
作り手の店の商品ページで案内している手入れは、次のとおりです。
- 汚れは、油を含ませた綿棒や歯ブラシでこすって落とし、ティッシュや柔らかい布でやさしく拭きます。
- 水では洗いません。作り手は、水で洗うと光沢がなくなり、反りやゆがみ(狂い)の原因になるとしています。
まとめ
みねばりの解櫛(塩谷木櫛製造所)の3寸5分は、小ぶりで持ち歩きやすい木の櫛を探している人に向きます。家に置いて使う一本なら、幅約15cmの5寸もあります。
ほかの櫛も見たい方は、さつまつげの解櫛(辻忠商店)や、さつまつげのとき櫛(十三や)もご覧ください。

