手をかけた時間ごと、自分の一脚になっていく木のスツールです。森林保全団体の一般社団法人more treesが設立10周年を記念して送り出した「スツール」は、ヒノキの無垢材でできた、届いてから自分で組み立てる一脚。シンプルなスツールを一つ探している人や、ものを選ぶときに森とのつながりを大切にしたい人に向きます。

特徴

箱を開けたときに出てくるのは、完成したスツールではなく、ヒノキのパーツです。地元・岐阜の職人が一つひとつ手作業でつくった部材を、使う人が自分の手で組み立てて、はじめてスツールのかたちになります。完成までにかかるのは10〜15分ほど。お茶を一杯いれるくらいの時間で、自分の手で仕上げた一脚が目の前に立ちあがります。

デザインは、二人のデザイナーの共作です。ジャスパー・モリソンは1959年ロンドン生まれのプロダクトデザイナーで、「スーパーノーマル」を理念に掲げ、日々の暮らしになじむ簡素で普遍的な形をつくり続けています。熊野亘は1980年東京生まれ。フィンランドに留学していたあいだに、木工の技術と家具のデザインを身につけました。テーマに選ばれたのは、more treesの活動にも通じる「つなぐ」という言葉です。

シングルのサイズは幅42cm・奥行き33cm・高さ40.5cmで、座面の高さは40cm。食卓の椅子と比べて、同じくらいか少し低めの高さです。同じ高さで横に長いダブル(幅76.5cm)とロング(幅120cm)もあり、サイズ違いを組み合わせれば、使える場面がさらに広がります。

木の種類について

使われているのは、「more treesの森」がある岐阜県のヒノキです。この地域で育つヒノキは「東濃ヒノキ」と呼ばれ、昔からお寺や神社のような伝統的な建物の材として選ばれてきました。

ヒノキは、やわらかく明るい色の木肌と、すがすがしい香りで親しまれている木です。パーツを一つずつ手に取って組み立てていくと、無垢の木の感触が手のひらにじかに伝わってきて、ふとした拍子に香りに気づくことがあります。組み立てたその日から、岐阜の山で育った木が部屋の一角に加わります。

お手入れ

スツールは無塗装の状態で届きます。無垢材は湿気を吸ったり吐いたりする生きた素材で、ウレタンや天然の油性塗料で塗装しておくと、より長く使えます。そのままの木肌で使うことも、好みの塗料で仕上げてから使うこともできます。ふだんの扱いは、木の家具に共通する次の点を押さえておけば足ります。

  • 普段は乾いた布で、ほこりや汚れをさっと拭き取ります。
  • 水や飲み物をこぼしたら、しみこむ前に早めに拭き取ります。塗装をしていない木肌は水がしみこみやすいので、とくに気をつけます。
  • 直射日光の当たる場所や、エアコンの風が直接あたる場所を避けると、反りや割れを防ぎやすくなります。

作り手は、手をかけながら木の経年変化を楽しみ、自分だけのスツールに育てていく付き合い方をすすめています。

まとめ

自分の手で組み立てて迎える、ヒノキの一脚。more treesのスツールは、二人のデザイナーの設計と、職人の手仕事でつくられたパーツを、使う人が自分で完成させる木のスツールです。最後の仕上げを自分で担うぶん、届いた日から愛着がわいてきます。シンプルな一脚を探している人にも、森とつながる買い物をしたい人にも、手に取ってほしい一脚です。

スツールの購入金額の一部は、more treesの森林保全活動に使われます。作り手の取り組みは、more trees の森づくりでご紹介しています。

ほかの木のスツールも見比べたいなら、中央がゆるやかにくぼんだ座面のオークヴィレッジ PICOスツールや、祝い酒のマスと同じつくりのキシル HOURI スツールもあります。