子どもがはじめて自分から座りにいく椅子は、その子にとって家のなかの小さな居場所になります。キシルの「まめチェア」は、国産ひのきの無垢材でつくられた豆椅子。赤ちゃんの腰が据わった頃から座れて、大きくなったあとも役目を変えながら家に残ります。
特徴
余計な飾りがなく、置いた場所の空気を乱さない。まめチェアのかたちには曲線がなく、直線だけで組み上げられています。子ども用の椅子にありがちな、いかにもベビー用品という色づかいや装飾はありません。幅30cm、奥行27.5cm、高さ28.5cm。角は一台ずつ削って丸めてあります。
この椅子のおもしろさは、ひっくり返すと役目が変わるところにあります。向きを替えることで、座面の高さが13.5cm、16.5cm、30cmの3段階に変わります。腰が据わったばかりの頃は低く、背が伸びてきたら高く。360度どの面も使えるので、お手伝い用の踏み台にもなります。子どもが椅子を卒業したあとは、サイドテーブルとして部屋に残せます。
座面は幅27cm×奥行24cm、厚みは1.5cmのひのきの板です。全体で約2kgと、小さいながら無垢材らしい重みがあります。軽くしすぎれば強度が落ちるので、子どもがひとりで運べる範囲で板の厚みを決めてあります。完成品としてダンボール1箱で届きます。
材は芯まで無垢のひのきです。削れば内側からも同じひのきが出てきます。乾燥は、防腐剤も防カビ剤も防虫剤も使わない天然乾燥。最後の水分量の調整にだけ乾燥機を使い、1年かけて熟成させます。
塗料は、化学物質の発散を示す規格でもっとも上のF★★★★(フォースター)。大豆や亜麻の種などからとった天然原料で、塗装膜は食品衛生法に適合しています。接着剤にはホルムアルデヒドを使いません。日本工業規格で定められた水性高分子イソシアネート系のものを使っています。
つくっているのは、静岡県浜松市のキシル。2002年に設立され、日本の木だけを使って、学習机や子ども用の椅子、リビングの家具をつくっています。FSC®/CoC認証(FSC-C128187)を取得しています。材の由来について、作り手は管理されたFSC認証林からの原材料を主に使用していると記載しています。
木の種類について
ひのきは、指ですっとなでたときのやわらかさが印象に残る木です。淡いクリーム色の木肌と、鼻を近づけたときにふわりと立つ香り。金属や樹脂に比べて冷たく感じにくいので、素足で乗ったり、じかに肌が触れたりする道具に向きます。
仕上げに使われているのは、天然由来の植物系オイルです。塗膜で表面を覆い隠すのではなく、木にしみこませて仕上げているので、ひのきの手ざわりと木目がそのまま残ります。
使ううちに、ひのきの色は少しずつ濃く、あめ色に近づいていきます。子どもが座った時間の分だけ、木の表情も変わっていく。私たちは、家族と一緒に年を重ねていくような椅子であってほしいと思っています。
お手入れ
子どもが使う椅子なので、汚れることは前提にしておくほうが気楽です。
- ふだんの汚れは、水に濡らして固く絞った布で拭き取ります。
- ちょっとした汚れは、消しゴムやメラミンスポンジでも落ちます。
- 水や飲み物をこぼしたときは、しみこむ前に拭き取ります。
- 表面がかさついてきたら、専用オイルを塗り直します。塗るとツヤが戻ります。
- 直射日光やエアコンの風が直接あたる場所は避けます。反りや色あせの原因になります。
オイル仕上げの木は、こうして時々手を入れるほど、表面が落ち着いていきます。
まとめ
小さくて、飾り気がなくて、ひっくり返せば高さが変わる。まめチェアは、はじめて座る一脚から、お手伝いの踏み台へ、そしてサイドテーブルへと役目を移していく豆椅子です。国産ひのきの無垢材に、植物系オイルの仕上げ。長く家に置いておける子ども用の椅子を探している人に向きます。
大人がちょっと腰かける一脚を探しているなら、オークヴィレッジ PICOスツールもあわせてご覧ください。こちらは座面高44.5〜45cmの大人用スツールで、高さは固定です。座る人の成長に合わせて高さを変えるまめチェアとは、選ぶときの考え方が違います。



